芍薬 甘草 湯 副作用。 漢方薬と副作用

【芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)の解説】

芍薬 甘草 湯 副作用

桂枝加芍薬湯は、お腹が痛くなり何度トイレにいっても便意を感じるタイプの人に効果的な漢方薬です。 こんなタイプの人は意外と多いのではないでしょうか。 今回は。 桂枝加芍薬湯について解説していきます。 桂枝加芍薬湯の効能 桂枝加芍薬湯は 膨満感のあるしぶり腹や腹痛に効果的な漢方薬です。 膨満感などお腹の不調は放置しがちですが、何も対策をとらないとストレスは続き他疾患のきっかけとなることがあります。 早めに解消していくことが大切ですね。 膨満感やしぶり腹など放置するとどうなる? 膨満感やしぶり腹を放置しておくと、他疾患のきっかけとなることがあります。 うつ病 膨満感やしぶり腹は精神的にもストレスとなることがあります。 ストレスの蓄積が長期間続けば、うつ病のきっかけとなることもあります。 さらに、うつ病は精神だけではなく肉体的にも影響を及ぼすことがあります。 その中には便秘や腹痛、膨満感といった症状もあり悪循環となることも。 腸閉塞 便秘が長期間続くことで、腸閉塞となることがあります。 便秘が続くと大腸が弛緩および拡張してしまい障害を起こしてしまうことがあります。 たまった便がかたくなることで、 排出自体が困難になります。 便が排出されなくなればどんどんたまってしまうので、ますます症状が重症化していきます。 膨満感や便秘は早めに対策していきましょう。 桂枝加芍薬湯の副作用 事前に知っておけば予防することができる場合があるので、確認しましょう。 胃の気持ち悪さや吐き気 人それぞれ感じ方が違うので、少しでも胃に不快な症状を感じたら使用をやめましょう。 むくみ 他に原因もなく突然、顔が太ったと感じたり、いつもなら着ることができる服が着られないなど感じたら副作用のむくみかもしれません。 筋肉がピクピクする 特に理由がないのに筋肉がピクピクするといったことがあったら、副作用の可能性があります。 安静にしているのに筋肉が痙攣する、体が落ち着かないといったことがあったら気をつけましょう。 手足に力が入らない 手足に力が入らずものが持てないといったことがあったら、副作用の場合があります。 例えば、簡単なタイピングができない、タオルが絞れないといったことがあったら気をつけましょう。 手足に関してはしびれを併発する人もいます。 発疹や赤み 発疹や赤みの状態は人によって違うので何か変化を感じたら気をつけましょう。 症状が解消されないようなら、 医師や薬剤師に相談しましょうね。 桂枝加芍薬湯の注意点 桂枝加芍薬湯は、服用に注意が必要な人がいます。 妊娠中の人 妊娠中の女性はデリケートなので、どんなことが起こるか分かりません。 自分で判断せず、必ずかかりつけの医師に相談しましょう。 持病を持っている人 持病を持っている人が桂枝加芍薬湯を服用すると、持病に影響をもたらすことがあります。 必ず医師に相談し、使用しましょう。 何らかの薬を使用している人 何らかの薬を服用している人は、併用することで悪影響をもたらすことがあります。 医師や薬剤師に相談すると安心です。 桂枝加芍薬湯の正しい飲み方 本来は水やお湯と一緒に食前や食間に服用するよう指示されているなので、服用法を守るようにしてください。 錠剤?それとも粉末? 漢方薬には錠剤タイプと粉末タイプがあります。 続けやすい剤形を選びましょう。 飲み合わせに注意が必要 桂枝加芍薬湯を服用するときは 飲み合わせに注意しましょう。 薬に使用される成分の中には、桂枝加芍薬湯との相性が悪いものがあります。 事前によく確認しておくといいですね。 甘草 甘草は多くの漢方薬に使用されている生薬です。 桂枝加芍薬湯も甘草という生薬を含むので、他の漢方薬を併用するときは甘草を過剰に摂取しないように気をつけましょう。 グリチルリチン 風邪薬に配合されることのある成分です。 同じく甘草にも含まれている成分なのでよくわからないときは医師や薬剤師に相談しましょう。 桂枝加芍薬湯をうまく活用していこう 桂枝加芍薬湯は膨満感や腹痛などお腹の不調に効果的な漢方薬です。 注意事項をよく守り服用していきましょう。 少しでも不安を感じたら、医師や薬剤師に相談してください。

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漢方薬と副作用

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甘草の由来 甘草は、中国やヨーロッパに生息し、洋の東西を問わず紀元前から使われていました。 別名「リコリス」とも呼ばれています。 甘草は名前に「甘」という文字が含まれている通り、砂糖の150倍も甘いとされ、漢方薬のみならず甘味料、調味料としてお菓子などの食品にも使用されているのです。 意外と幅広い!甘草の効能 まずは甘草の効能を挙げてみましょう。 ・抗炎症作用• ・抗アレルギー作用• ・解毒作用• ・鎮痛作用• ・去痰作用 このように様々な作用があるため多くの漢方薬に含まれているのが特徴です。 日本国内で販売されている漢方薬の約7割以上に含まれているほどです。 抗炎症作用があるのはなぜ? 甘草の主成分はグリチルリチンと呼ばれ、グルチルリチンは腸内細菌によってグリチルレチン酸に変化し吸収されます。 グリチルレチン酸は体の中で分泌されるコルチゾールというステロイドホルモンを増加させます。 このコルチゾールは、ストレスを受けた時に分泌されることで知られているストレスホルモンで、強力な抗炎症作用があります。 そのため甘草にも抗炎症作用があるのです。 代表的な副作用は『偽アルドステロン症』 甘草の代表的な副作用としては、「偽アルドステロン症」が有名です。 漢方薬の副作用の中でも頻度が高いとされています。 偽アルドステロン症はアルドステロンというホルモンが増加していないにも関わらず、あたかもアルドステロンが出ているような症状が現れる病態です。 アルドステロンには、食塩であるナトリウムを溜め込み、カリウムを体の外に排泄する働きがあります。 先に触れたコルチゾールが増えると、このアルドスロテン受容体に働き、アルドステロンと同じような働きをするため「偽アルドステロン症」と呼ばれているのです。 有名な副作用!偽アルドステロン症の主な症状 主な症状としては以下のものが挙げられます。 むくみ• 体重増加• 血圧上昇• 低カリウム血症 症状は服用後すぐに出る場合もあれば、3日程度または長期連用後に起こるなど様々なケースがあります。 これらの症状が少しでも見られたら、すぐに服用を中止し医師や薬剤師にご相談ください。 知っておくと役立つ!低カリウム血症の症状 低カリウム血症の症状には、以下のものが挙げられます。 全身倦怠感• 脱力感• 高血圧• 息切れ• 筋肉痛• 筋力低下• 四肢痙攣• 手足のしびれ また、循環器にも影響を及ぼすことがあり、不整脈に繋がる可能性もあります。 さらに病院で処方される利尿剤にも低カリウム血症を起こすものがあるので、併用には気を付けましょう。 発生頻度としては、長期連用や高齢者などで高くなる傾向にあります。 定期的な血液検査をすることが副作用の早期発見につながりますので、きちんと受けるように心掛けましょう。 意外と知らない甘草の過剰摂取 漢方薬には甘草が含まれているものが複数あるため、数種類の漢方薬を併用する際には、甘草の量に注意を払う必要があります。 また、甘草の量が少ないからと言って副作用が起こらないというわけではありません。 甘草の副作用は、少量でも起こることが知られていますので注意しましょう。 また風邪薬や胃腸薬などの市販薬に配合されていたり、さらには甘草エキス成分や抽出物は健康食品や食品 の甘味料として醤油や菓子類などにも幅広く利用されています。 漢方薬を含め、甘草を含む製品を気づかないうちに多量に摂取し、過剰摂取となっている可能性もあるので要注意です。 甘草は肌に良い!? 最近では甘草に美肌作用があることもわかってきおり、甘草に含まれるフラボノイドを抽出した成分が多くの化粧品に配合されています。 また先に触れた甘草のグリチルリチン酸には抗炎症作用があるため、ニキビや肌荒れなどの炎症を抑える予防を目的として医薬部外品にも配合されています。 甘草が多く含まれている漢方 以下の漢方薬は、甘草が特に多く含まれる方剤です。 何種類かを組み合わせて服用する際には注意しましょう。 ・「甘草湯」 ・「芍薬甘草湯」 ・「甘麦大棗湯」 甘草の効能と副作用を理解して正しく服用しよう! 以上のように、甘草は古くから世界各地で使用され、多種多様な作用を有することから、漢方薬をはじめ様々な製品に配合されています。 最近では内服のみならず外用としてもその活躍の場を広げています。 利用価値がとても高い一方で、「偽アルドステロン症」のような注意を要する副作用があるのも事実です。 そのため効能だけでなく、副作用についてもしっかりとした知識を頭に入れ、副作用と思われる症状が少しでも現れたら、自己判断せず早めに医師や薬剤師に相談しましょう。

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芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)/心臓病(虚血性心疾患)の治療ガイド

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過去5年間に当副作用モニターに報告のあった漢方によるグレード2以上の副作用は96例、105件でした。 偽アルドステロン症関連(偽アルドステロン症、低カリウム血症、血圧上昇、浮腫)48件、薬剤性肝機能障害23件、間質性肺炎10件、発疹・掻痒など21件、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)1件、アナフィラキシー1件、心不全急性増悪1件などでした。 また、漢方薬としては、芍薬甘草湯32件、抑肝散16件(抑肝散加陳皮半夏3件)、小青竜湯7件、半夏瀉心湯6件、清肺湯、補中益気湯各5件でした。 年代別では、90歳代10例、80歳代35例、70歳代36例、60歳代21例、50歳代13例、40歳代1例、30歳代5例、20歳代1例と70歳、80歳代に多く見られました。 また、飲み方として1日3回73件、1日2回34件、1日1回13件と1日3回で用量を多く服用している例が多く見られました。 これらの被偽薬の漢方製剤は全て甘草含有のもので、芍薬甘草湯(甘草6. 0g グリチルリチン240mg)が24件と半分を占めており、続いて抑肝散(甘草1. 5g)9件、小青竜湯(甘草3. 0g)4件、その他9種類で各1~2件でした。 偽アルドステロン症と血圧上昇に関しては1例以外芍薬甘草湯が被疑薬となっており、低カリウム血症に関しては、芍薬甘草湯8件、抑肝散9件その他は8製剤が各1~2件、浮腫に関しては芍薬甘草湯が4件と、小青竜湯2件、抑肝散加陳皮半夏(甘草1. 5g)1件でした。 重篤副作用疾患マニュアルよる偽アルドステロン症の解説 「偽アルドステロン症とは、低カリウムを伴う高血圧を示し、低カリウム血清ミオパチーによると思われる四肢の脱力と、血圧上昇による頭重感等が主な症状です。 初期症状としては、手足のしびれ、つっぱり感、こわばりで徐々に進行する四肢の脱力や筋肉痛に注意が必要で、その他全身倦怠感、浮腫、口渇、食思不振等と症状が見られます。 」 甘草の機序としては、甘草の主成分であるグルチルリチン酸がコルチゾールをコルチゾンに変換する酵素を阻害し、コルチゾールが過剰となり、ミネラルコルチコイド作用を発揮することにより生じます。 尿細管のミネラルコルチコイド受容体に作用してナトリウムの再吸収を促進させカリウムの排泄を増やすため、低カリウム血症を生じやすくなると考えられています。 偽アルドステロン症では、低カリウム血症や高血圧の症状を呈します。 発現期間としては、3カ月以内に発症したものが約4割を占め、女性(男性の2倍)や低身長・低体重で体表面積の小さい人、高齢者に生じやすく、利尿剤やインスリン使用患者では低カリウム血症を起こしやすく、重篤化しやすいので注意が必要です。 抑肝散による低カリウム血症 甘草による低カリウム血症は、含有するグリチルリチンがコルチゾールを変換する酵素を阻害し、増加したコルチゾールが尿細管の受容体に作用してナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促進するためといわれています。 甘草1g中に含まれるグリチルリチンは約40mg(実際は20mg位らしい)で、1日の上限値はグリチルリチン300mg(甘草として7. 5g)とされています。 ツムラでは、添付文書に示されている「漢方に含まれる混合生薬の乾燥エキス」の中で甘草が2. 5gを超える製剤12品目は、使用上の注意で「低カリウム血症に禁忌」としています(グリチルリチン注射剤での上限がグリチルリチンとして100mgのため)。 当モニターへの過去5年間での報告では、低カリウム血症は抑肝散9件、芍薬甘草9件、他7製剤各1~2件で発現しており、そのほとんどは抑肝散と芍薬甘草湯が占めています。 抑肝散はグルタミン酸系やセロトニン系などの神経伝達に対する調整作用が示唆されており、現在、認知症の周辺症状である幻覚や妄想、焦燥感などに、神経興奮を抑制する目的で多く処方されています。 また、配合生薬の釣藤鈎には、アルツハイマー病における神経細胞死の原因と考えられている、アミロイド蛋白の凝集抑制作用も示唆されています。 必然的に対象患者が高齢者となり、低体重の患者に1日3回漫然と投与されることも多く見受けられます。 また、在宅患者では定期的な採血が行なわれていないケースも多く低カリウム血症に気付きにくい点にも注意が必要です。 定期的にカリウムチェックを行ない、症状に応じて必要最低限の量で投与していくことが望ましいと思われます 症例)70代左視床出血にて入院。 抑肝散7.5g分3で開始となる。 5g分2に減量。 服用開始3か月後に下痢、嘔吐、全身の痛みあり低カリウム血症と横紋筋融解症の診断。 カリウム1. 1まで低下するもカリウム製剤注射、経口にてカリウム補給し改善。 本例では、低カリウム血症から横紋筋融解症にまで至ってしまいました。 抑肝散内服に加えて下痢、嘔吐などもあったことから低カリウムを助長したと考えられます。 このように他に低カリウム血症を来す要因が重なった場合など、低カリウム血症の進行に伴い筋脱力による転倒、致死性不整脈や横紋筋融解症にまで至る例もある事から注意が必要です。 症例)90代 女性 144cm 41kg 慢性心不全 狭心症、洞不全症候群あり。 フロセミド、エナラプリル、スピロノラクトンなどの併用あり。 認知機能低下による不穏に対して抑肝散7.5g分3で服用開始。 2か月後、カリウム2. 5と低カリウム血症認め、心不全増悪あり。 経口利尿剤、抑肝散等すべて中止し、ソルダクトン注、サムスカ、ハンプ、ステロイドミニパルス等の治療にて改善。 ベースに心疾患があり、高齢、低体重、利尿剤の併用もあり、抑肝散追加にて心不全増悪となりました。 このようにリスク因子が重なっている患者への投与ではより一層注意が必要です。 生薬組成だけをみると、原因とされる「甘草」は、芍薬甘草湯が6g配合に対し、抑肝散は1. 5gの配合であり、比較的少ないと言えます。 しかし、患者さんが高齢、低体重、服用が長期にわたる場合は、定期的な検査値のチェック、手足のしびれや脱力感、筋肉痛などに注意が必要です。 グリチルリチン製剤の重複投与に注意を 甘草などのグリチルリチン製剤は多くの医療用及び一般用医薬品や、甘味料として食品やタバコなど非常に広く利用されており、1日の摂取量を把握しにくいといわれます。 また、医薬品の中でも特に漢方薬、胃腸薬などで甘草含有に気づかないまま長期投与されるケースが多いことが以前から問題視されてきました。 症例 80代 172cm 41kg男性 慢性閉塞性肺疾患に対して清肺湯服用中。 夜間せん妄に対して抑肝散処方。 服用6日目 カリウム3. 1 12日目 カリウム2. 8 と低カリウム血症認めたため漢方薬を中止しグルコン酸カリウム服用3日でカリウム3. 6まで上昇。 今回の症例では高齢、低体重で、抑肝散(甘草1. 5g)、清肺湯(甘草1g)を併用(計グリチルリチン240mg)していました。 このように漢方薬を2種類さらにはもっと多く併用している例も見られます。 過去には偽アルドステロン症による低カリウム血症が原因となり、心室性不整脈や意識障害、ジギタリス製剤併用による心不全死亡例も報告されています。 現在、グリチルリチン製剤による偽アルドステロン症については広く知られていますが、実際にはその危険性に対する認識不足などから未だ重篤化する例が後を絶ちません。 重篤化を防ぐためにも、薬局からの積極的な情報提供を通じて医師や患者の認識を高め、必要な検査を実施するなどモニターをお願いしたいものです。 また、漢方薬の処方の7割が甘草を含有します。 必ず含有量を確認し、特に甘草湯(8g)や芍薬甘草湯(6g)、甘麦大棗湯(5g)など含有量の多いものは記憶しておく必要があります。 こむら返りに対する芍薬甘草湯の適正使用 過去5年の漢方による副作用の被疑薬として最も多く見られたのは芍薬甘草湯でした。 「こむら返り」は、筋肉に発生する強直性けいれんで、就寝中の発汗による水分喪失やミネラル不足で生じるといわれています。 芍薬甘草湯は、芍薬に含まれるペオニフロリンのカルシウムイオンの細胞内流入抑制作用と甘草に含まれるグリチルリチン酸のK+(カリウム)イオン流失促進作用による筋弛緩作用が、予防効果と頓服での即効的な効果(疼痛消失まで約3分)を示し繁用されています。 【症例】60代後半・女性、合併症に心疾患があり、フロセミド、スピロノラクトン、ジゴキシン、ワーファリンなど服用中。 「こむら返り」にツムラ芍薬甘草湯7. 5g(分3)連日の処方で、服用20日後の来局時、浮腫・体重増加(3週間で3㎏増)を訴え、水分貯留を疑い被疑薬を中止した。 中止後、体重は4㎏減少し元に戻った。 この報告は、高齢者で心疾患があり、利尿薬やジゴキシン、ワーファリンを内服中の患者に対しては、7. 5gの連日処方は明らかに過量であり、心不全の悪化や低カリウム血症による不整脈を誘発しやすいハイリスクな状態だったと思われます。 こむら返りに芍薬甘草湯を処方する場合、1日1回量を就寝前に投与するか、頓用で処方するなど必要最小限にすべきです。 とくに高齢者などリスク因子のある場合は注意しましょう。 原因となる漢方薬は18製剤。 5製剤で各2例、その他13製剤で各1例の報告でした。 重篤副作用マニュアルでは、小柴胡湯、柴苓湯、葛根湯の順に肝障害が多く出るとされていますが、過去5年で小柴胡湯1件の報告はありますが、柴苓湯、葛根湯では報告がありませんでした。 肝障害においてはどの薬剤でも注意が必要です。 また、防風通聖散としては肝障害の報告は過去5年では1件でしたが、防風通聖散と同じ生薬が配合されている市販薬のナイシトールで2件の報告がありました。 漢方薬による薬剤性肝障害の原因生薬として黄芩が知られていますが、リンパ球幼若化試験(DLST)では柴胡、半夏、人参、沢瀉、生姜、甘草も原因生薬とされており含有する漢方薬では特に注意が必要です。 市販薬ナイシトール85(=防風通聖散)による薬剤性肝障害 【症例】60代女性。 脂質異常症、骨粗鬆症で、プラバスタチン、アクトネルを2年ほど処方され、サプリメント としてビタミンC、コラーゲンを7~8年服用している患者。 市販薬のナイシトール85を3カ月ほど内服したところ、AST352、LDH340に上昇。 薬剤性肝障害が疑われ全薬剤中止となった。 中止後、ASTは改善し、3カ月後にプラバスタチン、アクトネルを再開した。 ナイシトール85は、テレビのCMなどで腹部の皮下脂肪の分解・燃焼をうたい、売り上げを伸ばしています。 その成分は医療用漢方薬の「防風通聖散」と同一で、1日量(10錠)と防風通聖散エキス顆粒2. 5g(1包)がほぼ同量です。 現在では、ナイシトールG(1日量12錠 防風通聖散エキス顆粒3. 1gと同量)、ナイシトールZ(1日量15錠 防風通聖散エキス顆粒5. 0gと同量)とより生薬量の多いものも発売されています。 防風通聖散には、黄芩(おうごん)のほか、甘草、大黄、麻黄などが配合され、これらの成分は注意が必要な生薬です。 (肝機能障害がでやすいのは黄芩、甘草、生姜)重篤な副作用に間質性肺炎、偽アルドステロン症・ミオパチー、肝機能障害があります。 現在(2016年6月時点)全日本民医連の副作用モニターには、医療用「防風通聖散」を被疑薬とする報告が13件登録されており、そのうち肝障害・肝機能異常が5件と、約半数を占めています。 そのほか、下痢、発疹各2件、間質性肺炎、胃部不快感、ふらつき、気分不良が各1件でした。 厚労省の重篤副作用疾患別対応マニュアルには、漢方薬による薬剤性肝障害について 「一般に、発症までの期間は1カ月以内が44%、3カ月以上が29%と、やや長い症例がある。 初発症状は、黄疸、全身倦怠感、腹部症状などであるが、アレルギー症状や白血球・好酸球の増多を伴う者は少ない」と記載されています。 「メタボブーム」の中で、関連する薬効をうたった薬剤の使用者数が、医療用・市販薬ともに増加しています。 とくに、漢方製剤の市販薬は「第2類」に分類 され、登録販売者のいる店舗であればどこでも手に入るうえ、30種類を超える商品があります。 中には、名称が「ナイシトール85」のように、「防風通聖散」とすぐにわからないものもあります。 医療機関などでは服用薬を聞き取った際には成分までしっかり確認をすることが重要です。 症例)70代 女性147. 5cm、46. 3kg 腹部膨満感があり大建中湯15g分3 7日分処方されたが、自己調節により実際は7. 5g分3で服用。 2か月後夜中に胸が締め付けられるような感覚で目が覚め呼吸苦あり。 服用開始1か月半頃から体動時の呼吸苦があり休むと改善。 大建中湯服用で調子悪化する感じがあったため一旦中止。 DLST大建中湯陽性 ステロイドパルスにて症状改善。 間質性肺炎を引き起こす機序としては、まだ不明な点が多くありますが、薬剤の細胞毒性によるものと、アレルギー反応によるものが考えられています。 前者には抗癌剤、免疫抑制剤があり、細胞に直接障害を起こし、間質の炎症、繊維化を起こすと考えられています。 また、アレルギー反応によるものは、薬剤もしくはその代謝物が免疫細胞を刺激することで起こるとされています。 薬剤には抗生物質、抗不整脈、漢方薬が挙げられます。 漢方特有の薬剤性肺障害の発生機序の報告はありません。 画像的な特徴などもないようで、肺胞や間質にみられる病変が多く見られますがその他の報告もあるようです。 以前より、漢方薬による間質性肺炎は注意喚起されており、DLSTより黄芩、半夏が原因生薬としてあげられてきました。 今回の10件のうち黄芩もしくは半夏(もしくは両方)を含む漢方を服用していたのは6件(乙字湯、麦門冬湯、半夏瀉心湯、防風通聖散各1例、潤腸湯2例)で、黄芩、半夏を含まない漢方は4件(牛車腎気丸、大建中湯、清肺湯、当帰芍薬散各1例)でした。 現在では黄芩や半夏を含まない漢方薬でも間質性肺炎の報告は多くされており、黄芩や半夏を含む、含まないに関わらず注意が必要です。 男女差はなく、薬剤性の間質性肺炎ではベースに肺疾患がある事がリスク因子となるようですが、今回の症例では気管支炎の患者が1件のみでした。 また、HCV感染そのものが間質性肺炎の発症・増悪に関与している可能性があり、HCV抗体の陽性率が高い可能性があるようですが、HCV陽性患者はいませんでした。 服用2~3ヶ月で見られることが多く、咳、呼吸困難、発熱などの症状には注意が必要です。 黄連解毒湯は、体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色が赤っぽく、いらいらする傾向がある人の胃炎、二日酔い、不眠症、神経症などに用いられます。 症例)精神不安定のため、少なくとも7年以上前から黄連解毒湯を服用していた患者。 3年ほど下痢症状が時おり現れ、そのつど、整腸剤や下痢止めを処方していた。 便潜血検査で陽性、大腸内視鏡検査で盲腸から上位結腸に暗紫状粘膜、静脈拡張を認め、腸間膜静脈硬化症の疑いで黄連解毒湯を中止。 1カ月後に治癒を確認、その後は症状無し。 * * 腸間膜静脈硬化症は、大腸壁内から腸間膜の静脈に石灰化が生じ、血流が阻害されることで腸管が慢性的に虚血状態になる疾患です。 症状は、右側腹痛、下痢、悪心・嘔吐や便潜血陽性(無症状)があり、重いものでは腸閉塞 イレウス もあります。 原因は、山梔子の生薬成分であるゲニポシドだとみられています。 大腸の腸内細菌がゲニポシドを加水分解し、ゲニピンを生成。 ゲニピンが大腸から吸収され腸間膜を通って肝臓に到達する間にアミノ酸やたんぱく質と反応し血流をうっ滞させ、腸管壁の浮腫、線維化、石灰化、腸管狭窄を起こすと考えられています。 2013年に厚生労働科学研究が全国調査の結果を報告し、腸間膜静脈硬化症患者の8割以上が山梔子含有漢方薬を服用し、その内9割以上で服用期間が5年以上だったことを明らかにしています。 2013年と14年には「使用上の注意」の改訂指示が出されました。 現在、山梔子を含有する製剤で腸間膜静脈硬化症が「重大な副作用」に記載されているのは、加味逍遥散(カミショウヨウサン)、黄連解毒湯、辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)、茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)です。 山梔子を含有する漢方製剤はこの4種以外にもあります。 それらを5年以上長期投与している患者が、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満感、嘔気・嘔吐等を繰り返す、または便潜血陽性になった場合は投与を中止し、CT、大腸内視鏡などの検査を行い適切に処置することが必要です。 漫然とした長期処方は見直し、継続する場合は1~2年に1度程度の定期的な大腸内視鏡検査を実施してください。

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