ハ っ シャクサマ ほん 怖。 #咲

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ハ っ シャクサマ ほん 怖

概要 [ ] 仏教経典には、さまざまな前世の因縁物語が説かれ、主にはの前世による因縁を明かし、現世や来世を説いている。 これをジャータカというが、広義には釈迦のみならず、釈迦の弟子や菩薩などの前世の因縁も含めてジャータカ、あるいは本生譚と呼ぶ場合もある。 しかし、本来ジャータカとは特別な形式と内容をそなえた古い文学の種類を称して呼んだものである。 また漢訳仏典ではこれらの経典を『 本生経』と総称し、仏典には22篇に分けて計547もの物語がジャータカとして収録されている。 この形式には、現世物語・前世物語・その結果(あるいは来世物語 という三世で構成されている。 散文と韻文とで構成され、紀元前3世紀ごろの古代インドで伝承されていた説話などが元になっており、そこに仏教的な内容が付加されて成立したものと考えられている。 しかるに仏教がインドから各地へ伝播されると、世界各地の文学に影響を与え、『』や『』にも、この形式が取り入れられたといわれる。 また『』の「」なども、このジャータカを基本としている。 蔵のには、ジャータカ物語として施身聞偈図の雪山王子や、捨身飼虎図の薩埵王子が描かれていることで知られる。 構成 [ ] 収録の『ジャータカ』の構成は以下の通り。 第一篇• 無戯論品(1-10)• 戒行品(11-20)• 羚羊品(21-30)• 雛鳥品(31-40)• 利愛品(41-50)• 願望品(51-60)• 婦女品(61-70)• 婆那樹品(71-80)• 飲酒品(81-90)• 塗毒品(91-100)• 超百品(101-110)• 設問品(111-120)• 吉祥草品(121-130)• 不与品(131-140)• カメレオン品(141-150)• 第二篇• 剛強品(151-160)• 親交品(161-170)• 善法品(171-180)• 無双品(181-190)• ルハカ品(191-200)• ナタムダルハ品(201-210)• 香草叢品(211-220)• 袈裟品(221-230)• 革履品(231-240)• 豺品(241-250)• 第三篇• 思惟品(251-260)• 梟品(261-270)• 森林品(271-280)• 真中品(281-290)• 瓶品(291-300)• 第四篇• 開門品(301-310)• プチマンダ樹品(311-320)• 毀屋品(321-330)• 時鳥品(331-340)• 小郭公品(341-350)• 第五篇• 摩尼耳環品(351-360)• 色高品(361-370)• 半品(371-375)• 第六篇• アヴァーリヤ品(376-385)• セーナカ品(386-395)• 第七篇• クック品(396-405)• 健陀羅品(406-416)• 第八篇• 迦旃延品(417-426)• 第九篇(427-438)• 第十篇(439-454)• 第十一篇(455-463)• 第十二篇(464-473)• 第十三篇(474-483)• 第十四篇(484-496)• 第十五篇(497-510)• 第十六篇(511-520)• 第十七篇(521-525)• 第十八篇(526-528)• 第十九篇(529-530)• 第二十篇(531-532)• 第二十一篇(533-537)• 第二十二篇(538-547) 主な本生譚 [ ] 以下に挙げるのは、釈迦の前世物語として有名な例である。 (しびおう) 釈迦の前世である慈悲深い尸毘王は、ある時僧のために両眼を布施した。 そのバラモン僧はで、両眼を元に戻したという説話。 なおこれは南伝の説話で、北伝では、鷹に追われた鳩を救うために、王が鳩と同じ分量の自分の肉を切り取って鷹に与えた。 鷹は帝釈天、鳩はで、王の慈悲心を量った。 雪山童子(せっせんどうじ) 施身聞偈(せしんもんげ)で知られる。 『』に説く。 釈迦の前世である童子が無仏の世にヒマラヤで菩薩の修行をしていると、が諸行無常・是生滅法といったので、その残りの半句を聞くために腹をすかせた羅刹のために、生滅滅已・寂滅為楽の半句を聞き、木石などに書き残して投身した。 投身した刹那に羅刹は帝釈天に姿を戻し、童子の身を受け止めて、未来に仏と成った時に我らを救い給えといった、という説話。 薩埵王子(さったおうじ) 捨身飼虎(しゃしんしこ)で知られる。 『金光明経』などに説く。 釈迦の前世である王子は、飢えた虎とその7匹の子のためにその身を投げて虎の命を救った。 日本語訳 [ ]• 『南伝大蔵経』 28巻-39巻• 『小部経典』 第6巻-第7巻、、Kindle 2015年• 『 ジャータカ全集』 監修、全10巻、新版2008年• 『ジャータカ・マーラー 本生談の花鬘』 干潟龍祥、高原信一訳著 <インド古典叢書>、復刊1990年• 『ジャータカ物語』 仏教説話大系編集委員会編、仏教説話選書全5巻、鈴木出版、1988年 脚注 [ ].

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構成 [ ] 以下の34経で構成される。 『 』(すばきょう、Subha-sutta, スバ・スッタ)• 『 』(ろしゃきょう、Lohicca-sutta, ローヒッチャ・スッタ)• 『 』(さんみょうきょう、Tevijja-sutta, テーヴィッジャ・スッタ)• 『 』(じゃにしゃきょう、Janavasabha-sutta, ジャナヴァサバ・スッタ)• 『 』(きょうじゅしからえつきょう、Sigalovada-sutta, シガローヴァダ・スッタ)• 『 』(じゅうじょうきょう、Dasuttara-sutta, ダスッタラ・スッタ) 日本語訳 [ ] 全訳 [ ]• 『南伝大蔵経・経蔵・長部経典1-3』(6-8巻)• 『パーリ仏典 長部(ディーガニカーヤ)』(全6巻)訳 大蔵出版• 『原始仏典 長部経典1-3』(第1-3巻)監修 部分訳 [ ] サーマンニャパラ経(沙門果経) [DN2]• 『1 バラモン教典, 原始仏典 』 マハーパリニッバーナ経(大般涅槃経) [DN16]•

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アチメ オオオオ オオオオ オオオオ 天地ニキ揺ラカスハ サ揺ユラカス 神ワカモ 神コソハ キネキコウ キ揺ラナラハ アチメ オオオオ オオオオ オオオオ 石ノ上 布瑠社ノ 太刀モガト 願フ其ノ児ニ 其ノ奉ル アチメ オオオ オオオ オオオ 猟夫ラガ 持タ木ノ真弓 奥山ニ 御狩スラシモ 弓ノ弭見ユ アチメ オオオ オオオ オオオ 上リマス豊日霎カ 御魂欲ス 本ハ金矛 末ハ木矛 アチメ オオオ オオオ オオオ 三輪山ニ アリタテルチカサヲ 今栄エデハ 何時カ栄へム アチメ オオオ オオオ オオオ 吾妹子ガ、穴師ノ山ノ山ノ山モト 人も見ルカニ 深山カ縵為ヨ アチメ オオオ オオオ オオオ 魂筥ニ 木綿取リシデワ 魂チトラセヨ 御魂上リ 魂上リマシシ神ハ 今ゾ来マセル アチメ オオオ オオオ オオオ 御魂ミニ 去マシシ神ハ 今ゾ来マセル 魂筥持チテ 去リクルシ御魂 魂返シスナ 『鎮魂歌(年中行事秘抄)』 概要 1992年7月7日。 火曜日。 この日、吉野さん一家は一人娘の 美咲ちゃんの誕生日を前日に控え、家族三人で近所の商業施設、つ かしん(西武百貨店)に買い物に出かけていた。 父親の義弘さんは 当日午後から半休を取っており、会社帰りに自宅の最寄り駅である 阪急稲野駅で妻の美幸さん、娘の美咲ちゃんと合流、その後、家族 三人でつかしん内の飲食店で昼食を食べ、美咲ちゃんの誕生日プレ ゼントを買って帰路についた。 事件は、その道中で起こった。 午後四時ごろ、吉野さん一家は御願塚古墳という小さな古墳の前 を通りかかる。 御願塚古墳とは吉野さん宅の南東にある、全長約5 0メートル、高さ約七メートルほどの比較的小さな古墳である。 周 囲に壕を巡らせた小高い山の頂上には小さな広場があり、そこには 南神社という小さなお社が祭られている。 その神社に通じる鳥居の 前に差しかかったとき、突然美咲ちゃんが足を止め「お参りがした い」と言い出した。 吉野さん夫婦は当初それを美咲ちゃんの何気ない気まぐれだと思 い取り合わなかったが、美咲ちゃんがどうしてもと言うことを聞か ず(義弘さんによれば、それまでに一度も見たことのないくらいの 必死さで)その場を動こうとしないので、仕方なくお賽銭にと五円 玉を持たせて、古墳の上にある神社に行くことを許した。 このとき吉野さん夫妻はふもとの鳥居の外で待っていたが、その 場所から神社までの石段は視界が開けており、距離もたかだか10 メートル足らずである。 そして、吉野さん夫婦は、たしかに美咲ち ゃんが頂上に上ったのを確認している。 五分ほどたった後、戻ってこない美咲ちゃんを心配した義弘さん は、美咲ちゃんを探して頂上への石段を登った。 大人の足でなら急 ぎ足で10秒といったところだろうか。 頂上の社殿がある広場につ いた義弘さんは美咲ちゃんを探したが、そこには美咲ちゃんの姿は なかった。 広場は直径約15メートルの円形で、社殿のほかには何 もない。 義弘さんは美咲ちゃんの名前を何度か呼んでみたが、返事 はなかった。 頂上までの間には、古墳を周回する周遊路があり、頂上からぐる りと見おろせたが、そこにも人の姿や気配はなかったという。 不安に駆られた義弘さんだったが、石段を使わずに中腹の周遊路 に下りることも不可能ではないため、入れ違いになった可能性を考 えていったん妻の美幸さんの待つ鳥居に戻ってみることにした。 その途中で一応周遊路をぐるりと一周し、どこかで転んで怪我を しているのではないかと注意深く周囲を探したが、やはり美咲ちゃ んの姿はなかった。 仕方なく鳥居に戻った義弘さんだったが、そこ には美幸さんが不安そうな顔があるばかりで、やはり美咲ちゃんの 姿はなかった。 古墳全体は雑木に覆われてはいるものの、その間隔 はまばらで視界は比較的ひらけている。 美幸さんも義弘さんを待つ 間中ずっと美咲ちゃんを探していたが、美咲ちゃんの姿は見ていな いという。 美幸さんと合流した義弘さんは、誰も石段を降りてきていないこ とを確認すると、再び頂上の社殿へと向かった。 もう残る場所は、 社殿の中しか考えられなかったからだ。 古墳の周囲を囲むお濠は比 較的小さいものの、その幅は約8メートル。 狭いところ(鳥居付近) で5もメートル弱、広いところでは11メートルにもなる。 とても 6歳の女の子が渡れるような長さではないし、当然柵も設置されて いた。 美咲ちゃんは、どう考えてもこの古墳から外に出ていない。 出られるはずがなかったのだ。 社殿へと向かった吉野さん夫妻は、なりふり構わずお社の戸に手 をかけた。 が、その戸は頑丈に施錠されており、開くことはなかっ た。 内側を覗いてみても、人間がいるような気配はなかったという。 夫妻が目を離したわずか五分の間に、美咲ちゃんの姿はまさに煙の ように消えてしまったのだった。 午後四時二十五分。 稲野駅前交番に吉野さん夫妻は駆け込む。 警 察は失踪の可能性と古墳の周囲のお濠に転落した可能性の両面から 捜索をしたが、美咲ちゃんは見つからなかった。 警察犬も広場から 出ようとせず、臭いを追えなかった。 営利誘拐の可能性も考えられ たが、犯人からの要求がなかったため警察は失踪事件として捜査し ている。 翌日の午前十時半ごろ、吉野さん宅に謎の電話がかかっている。 電話を受けたのは妻の美幸さんだった。 電話の主は舌足らずな女性 で、年齢までは分からないが、娘ではないように思ったと美幸さん は語っている。 警察は、この電話の発信者の特定には至っていない。 補追 御願塚古墳全体図 実際に足を運ぶと、現場は想像よりもはるかに小規模で、高さは7 メートルとのことだが、実際の感覚ではもうすこし低く感じられる。 子どもの足でも頂上まで30秒はかからないだろう。 生い茂る樹も手入れがなされていて、仮に美咲ちゃんがいたずら心 から一時的にどこかに隠れたとしても、その後も両親から隠れ続け ることは不可能に思えた。 墳頂部の広場には社殿以外に何もなく、木の一本すらも立っていな い。 社殿は広場の南西隅に建っていて東側は開けていた。 社殿の裏 側も整然としていて、とくに隠れられるような場所は見当たらない。 社殿には金属製の戸がついており、社殿自体もそう古いものではな く、全体的にがっしりとした作りになっている。 内部は暗く確認で きなかったが、きっちりと施錠されており大人でも進入は不可能だ ろう。 周遊路にも降りてみたが、上から見たときと同じく、意外にも視界 は良い。 木立に遮られていても、人がいれば必ず分かると断言でき る。 また、土を踏みしめる音や落ち葉や草を踏む音を立てずに歩くこと も、子供には困難だろう。 古墳入り口の濠にかかる木作りの橋も、 踏むと思った以上に大きく軋み、これはある程度遠くにいても聞こ える。 両親の耳にこれが聞こえなかったことは考えにくい。 周囲を囲む濠の幅は約5メートルから10メートル。 もっとも狭い 場所であっても、飛び越えることは大人でも不可能だろう。 水面は 淀んでいて深さは分からないが、子どもが短時間でこれを渡ること も、到底不可能に思われた。 古墳の入り口(鳥居正面)は県道336号線に面しており、交通量 は少なくはないが人通りはまばらだった。 美咲ちゃんの失踪が誘拐 によるものだとすれば、車を横付けできるこの場所は犯人にとって 好都合だったと言えるが、失踪当時は鳥居の前に母親の美幸さんが ずっと立っており、不審な車や人影は見ていないという。 古墳から 美咲ちゃんが出て行くには正面の鳥居を通らざるを得ないことを考 えれば、車による連れ去りの可能性は低いだろう。 なお、古墳の裏手は入り組んだ住宅地になっていて、細い生活道路 に抜ける路地が東西に二本あるが、こちら側は県道側の道路よりも 主婦や小学生などの通行人が多く、美咲ちゃんがどうにかして濠を 越えられたと仮定しても、やはりこちらからどこかに出て行った可 能性は低いように思われる。 御願塚古墳には、1991年頃から浮浪者が住んでいたという噂が ある。 だが、実際に古墳に住んでいたのかどうか、ということに関しては 疑問の余地が残る。 実際の目撃証言が多数あることから、御願塚・ 稲野近辺に浮浪者がいたことは確かだが、実際に寝起きしていた場 所は別にあったと思われる。 古墳には雨風をしのげる場所がないか らだ。 浮浪者の風体については誰も記憶しておらず、ただ古墳の周遊路で ニワトリを飼っていたということだけは皆が覚えていた。 この浮浪者はある時期を境にぱったりと姿を消しており、それと前 後して吉野美咲ちゃん失踪事件が起きていることから容疑者ではな いかとも目されているが、それは単に古墳への警察の出入りが多く なったために居場所を失っただけだろう。 事件との因果関係は薄い と思われる。 美咲ちゃん失踪の翌日に吉野家には一本の奇妙な電話がかかってい る。 電話を受けたのは妻の美幸さんだった。 電話の主は美幸さんが何か 言う前に話し始め、不思議なイントネーションの言葉で意味の分か らないことを一方的に話し、最後に「もしもし」と告げて電話を切 った。 こちらからの問いかけにも一切応答しなかったという。 警察ではこの謎の電話の主を探したが、発信者の特定には至ってい ない。 この時吉野家では、美幸さんが電話を受けている最中に玄関がどん どんと叩かれた。 インターホンを鳴らせば済むところをわざわざ門 扉を勝手に開けて玄関先まで入り、直接戸を叩くというのもおかし な話ではあるのだが、ともかくこの時祖母の絹江さんが応対に出て いる。 絹江さんは戸が叩かれたあと間も無く戸を開けているが、そこには 誰もおらず、1メートル先の門扉もきっちり閉まっており、人が急 いで隠れたような気配もなかったと、このとき美幸さんに話してい る。 なお、本件との因果関係は定かではないが、絹江さんはこの日の夜 半に突然倒れ、そのまま近畿中央病院に搬送、脳溢血による下肢機 能全廃と失語症と診断された。 そして一週間後の7月16日に、治 療の甲斐なく死亡している。 奇妙なの電話は二年後、三年後の誕生日にもかかってきているが、 義弘さんも美幸さんもかたくなにその内容を伏せ続けている。 四年後以降のことは分からないが、もしかすると今でも誕生日の奇 妙な電話は続いているのかもしれない。 霊媒 失踪から一ヶ月がたった後、吉野家の母方の親族(美幸さんの叔 母)を通じて、霊媒と名乗る女が現れている。 川上喜代子と名乗る この女は、なんでも失せ物探しや未来視を得意とするらしく、霊魂 を下ろして会話をし、彼らの知恵を借りるのだという。 その方法は「こっくりさん」によく似ていて、白い紙に五十音のひ らがなと、1~9までの数字、はいといいえ、霊魂を呼び込むため の入り口の役割を果たす鳥居を書いたものを用いて行われる。 「こっくりさん」とは、美咲ちゃんが失踪した当時、世間で爆発 的に流行した交霊術の一種であり、漢字では狐狗狸とも書く。 西洋 のテーブルターニングという交霊術に由来するものだが、実際はオ ートマティスムによる自動筆記や参加者の意思で動いている場合が 大半である。 しばしば感応精神病や集団催眠によるパニックを引き 起こし、社会現象にもなった。 喜代子の交霊術が「こっくりさん」と異なるのは、「こっくりさん」 がその場にいる不特定な何者かに呼びかけるのに対して、そこにい るはずの特定の霊魂に呼びかけて行われることである。 喜代子が言 うには通常の交霊、いわゆる「こっくりさん」では、動物霊と呼ば れる「人の魂のかたちを保てず動物に成り下がった」対話不能の霊 を降ろしてしまう恐れがあるという。 そうした場合には守るべき手 順も意味をなさず、当然に求める答えも得られない。 動物霊とは人 間の霊から理性が抜け落ち、動物的な本能、あるいは現世への強い 執着のみが増大したものだからである。 執着の源が生命である場合 は命や肉体をとられる恐れもあるという。 また、「こっくりさん」では交霊に10円玉などの硬貨を用いるの に対し、喜代子の交霊術では将棋の駒くらいの大きさの独自の木札 を用いる。 直径が3センチほどの丸い板に、「人」という漢字が六つ 輪を作るようにならんで書かれており、六芒星を形作っている。 作 法としては初めに術者がどれかの「人」に指を置き、それ以外の参 加者は残りの「人」のどこかに、等間隔に木札を囲むようにして指 を置いていく。 川上喜代子を吉野家に呼び寄せたのは、前述の吉野美幸の叔母、 結城フクであった。 結城フクは川上喜代子の霊能に心酔しており、 何度も吉野家に手紙をよこしては霊媒を勧めている。 美幸も当初は 取り合わなかったが、一向に美咲ちゃんが見つかる気配も無いまま 月日が過ぎていくことに耐えかねたのか、或いは藁にもすがりたい 気持ちだったのか、とにかく結城フクの勧めに根負けする形で、ち ょうど盆の半ばである八月十四日に(この日時は川上側からの提案 であったと言われる)吉野家で交霊会は行われた。 川上喜代子は岡山県和気郡の生まれとなっているが、これは厳密 には正しくない。 喜代子は物心付くか付かないかの頃に身売りされ、 和気の川上家に引き取られた。 喜代子は七つになるまで愚鈍で感情に乏しい白痴のような子であっ たが、この歳を境に大層利発になり家族を驚かせた。 その一方で白 昼に神懸りに陥るようになり、しばしば家族や村民の失せ物を見つ けて見せ、怪我や病気などの凶事を言い当てた。 この川上と結城は遠縁にあたるが、両家には親密な交流があった。 川上の家が近隣の家と果樹園の二重譲渡で揉めたときに、間に入っ て収めたのが結城であった。 このことが縁で交流を深めた両家であ ったが、今度は結城の家に問題が持ち上がる。 洋酒の工場を建てる のに土地と資金を出さないかと持ちかける山師が頻繁に家に出入り し、実質的な意味での家長である祖父の勘助は首を縦に振る寸前で あったのだ。 この時喜代子は持ち前の神通力を発揮し、結城の家の 没落を予言、返事を一週間保留させたがその間に件の山師は別件で の詐欺容疑で警察に逮捕され、結城の家は危うく難を逃れたという いきさつがある。 この時フクは喜代子の霊媒を間近で目撃し、その 不可思議な力の虜になってしまった。 フクに言わせれば喜代子が霊 魂を降ろすときには金色の光背が見えるという。 フクは日常生活に は支障がない程度には健常であったが、統合失調症と思しき言動が 多数見られた。 そのためフクの証言による喜代子の霊験は眉唾とい わざるを得ないが、喜代子の行う交霊には確かに現実には説明のつ かないところも多くあり、結論は未だ出ていない。 交霊 ほんまはこんなこと頼める義理じゃあないんですが、今日この話 をするんは、多少の罪滅ぼしと、亡うなったひとの供養になればと 思うとるんです。 美幸さんには特にひでえことをした思うとるんで、 できればほんまのことを誰かに伝えてあげてほしい思います。 それ ではどうか宜しゅうお願いします。 あれがあったんは一九九二年の、八月の十四日のことじゃった思 います。 大きい忌み日を避けるんは邪魔が入らんようことじゃ言う とりましたけえ確かじゃ思います。 場所は美幸さんとこの二階の子 供部屋で、時間は五時を少しまわっとったでしょうか。 私は世話人いうことで、本来なら美幸さんと川上さんの間に入ら れとったフクさんが来ればええんですけど、あの人は満足に読み書 きができんのんで、代わりに私に行っちゃくれんかいうことになっ て、私も川上さんとは知らん間柄じゃあなかったこともあって、特 になんのあれもなく、旅行みてえなもんじゃ言われてつい受けてし もうたんです。 まさかあがあなことになるとは思わんで。 広島の駅から新幹線に乗って新大阪についたあと国鉄に乗り継い で、駅からタクシーを呼んでもろうとったのに乗り込んで、美幸さ んとこのお宅へ伺うたんです。 ついたんはまだ日が高いうちでした けえ、これから支度したらちょうどええ頃合いじゃあいうてお話を したんを覚えとります。 美幸さんのお宅についてから、まず簡単に挨拶を済ませました。 家ん中は真っ暗でした。 饐えたような臭いがしとって、旦那さんは もう随分と参っとってでしたけど、なんとか気を張っておられたよ うでした。 美幸さんのほうは旦那さんと違ってもう限界じゃいう感 じで、ほとんど喋りもせんで、目もうつろで。 私と川上さんは二階の美咲ちゃんの部屋に案内されて、部屋に入 ると川上さんが部屋の中を見て回られて、美咲ちゃんの大切なもの、 なるべく長う使うとるものをひとつ貸してください言うちゃったん です。 そしたら美幸さんが、美咲が大切にしているぬいぐるみです 言うて、それを川上さんに渡されて、それから私と川上さんで交霊 会の支度を始めました。 まず、部屋の中央に下から卓袱台を運びました。 その上に持って きた蝋燭を立てて、私らみんなでお神酒をいただいて、塩をまいて、 川上さんが短いお経みたいなのを唱えられてから、お父さんお母さ んお待たせしました、いまから美咲ちゃんをこの部屋に呼びます、 言われました。 川上さんは持ってきた包みん中から、魂を降ろすん に使うとる板を取り出して、卓袱台の上に置かれました。 板には真 っ赤な鳥居と、はいといいえ、あとはあいうえおかきくけこいう平 仮名、それに0から9までの数字、それらが彫りこまれとってでし て、そこに川上さんがいつも使うとる、カコイサマいうやつを、ご 存知ですか、それを置かれてですね、川上さんと旦那さんと美幸さ んと、三人とでそれに指を添えられて、ぜってえ指を離さんといて ください言うて川上さんが説明しておられました。 私は川上さんの 言うちゃることを帳面に記録する係ですけえ、その間ずっと鉛筆を もって横で待機しとったんですが、そのうちに川上さんが言われま した。 たいへん長うお待たせしました。 お父さん、お母さん、いま から美幸ちゃんを降ろしますけえ、美咲ちゃんのことを心でじっと 念じてください。 できるだけ楽しいことを思い出して、美咲ちゃん の顔をはっきりと心に映してください、いうて。 ほうで川上さんは 美咲ちゃんに呼びかけるような言葉を呟き始めて、美咲ちゃん、美 咲ちゃん、言うて、なんとも居た堪れん気持ちになったのをよう覚 えてます。 あのカコイサマいうんは不思議なもんで、あれはほんまにひとり でに動きおるんです。 私も実際信じとらんかったですけど、ありゃ あそうとしか思えんのです。 じゃけ川上さんに聞いてみたことがあ るんですね、一度。 なしてありゃああなあなことになるんかいうて。 ほしたら川上さんは、あれは入り口なんじゃ言うちゃられました。 人の魂いうんは寂しゅうて仕方ないけ、あったけえところを見つけ て入りてえんじゃ、あのカコイサマにはお地蔵さんがおられて、そ れに誘われてするすると魂が入られるんじゃ言うて。 そういうのは 魂のほうも頭で考えとるんじゃのうて、電燈に蛾が集まるみたいな、 自然なもんらしいです。 川上さんが美咲ちゃん美咲ちゃん言うて呼びかけ始めてから五分 くらいでしょうか、突然旦那さんと美幸さんが身体をびくっと震わ して、えろう何かに驚かれたんは、カコイサマが動かれたんじゃ思 います。 川上さんはふうっと長え息をひとつ吐かれて、美咲ちゃん がきとられますよ、て言われました。 そっから部屋の空気が全然違 うたんは、ただ横に座っとっただけの私にもはっきり分かりました。 どういうんですかね、部屋の温度は寒いのに、身体は妙に暑苦しゅ うて汗が滲んでくるような、いうんですか。 蝋燭の炎の上のところ だけが長あく横になびいて、気持ち悪かったんを覚えとります。 質問は、最初ん頃は川上さんも美咲ちゃんに交霊のやり方を教え んといけんのんで、みやすい質問を何個かなさっとった思います。 歳はいくつか。 名前は何か。 男か女か。 美咲ちゃんは順調に答えと ってで、私もこれは成功じゃ思いました。 ほいで、いよいよこの後 ですよ。 こっからは美咲ちゃんが生きとるんか死んどるんか、今ど こにおるんか、それを聞き出さんといけんいうことで。 川上さんも 言うとられました。 おそらく子供相手じゃあええがあいかんじゃろ う、て。 子供いうんは生きとるんでもろくに聞きゃあせんのに、ま して魂じゃあまともに聞きゃあせんじゃろう言うて、私も同感じゃ 思うとりました。 事実あがあなことになって、ほんとうに手には負 えんもんじゃと思い知らされて。 こがあなことは滅多に言えんですが、私も川上さんも用心が足ら んかったんです。 何がほんまかはそりゃあ分からんですけど、美咲 ちゃんがとられたんは人攫いじゃとか、土地に住んどる神さんじゃ とか、そげなもんじゃあねえのは確かです。 川上さんは偉え人じゃ けど見える人じゃあなかった。 それで判断を誤られたんです。 始まってしばらくは順調に進んどるように思うとりました。 なに が見えるか、いうて聞いたらお母さんじゃ言うたりして。 ええがに いっとる思いました。 でも、途中からなんか変じゃ思うたんです。 どこが変じゃいうのは言えんのですが、たしか、今どこにおるんか いうようなことを聞いたら、美咲ちゃんは、いいえ、言うたんです。 このいいえいう答えは意味をなしちゃおらんでしょう。 ほうじゃけ 川上さんも、いいえいうんはどういう意味か、いうて改めて聞いち ゃったんです。 ほしたら美咲ちゃんは、今度はうしろじゃ言うんで す。 うしろ。 私も含めてみな背中をあらためんではおれんかったで すね。 例えなんもおらんじゃろうと分かっとっても、ああいう言わ れ方は恐ろしゅう感じますけ、私もなんとなくぞおっとして、川上 さんもこのままじゃと危険じゃ思われたんでしょう、改めて旦那さ んと美幸さんに、ええですか、何ぞ見ても取り乱さんでください、 指い離さんでくださいよ言うて念を押しちゃって、もうそろそろ日 が落ちよってじゃ言うて、川上さんは私に、部屋の電気点けてくれ んかって、私が立ち上がったそん時です。 ぱしっ、いう音がして、 電球のたまの中で火花が飛んだんです。 蝋燭の火いも急にゆらゆら し始めて、カコイサマが質問もせんのに勝手に動き出して、順に、 い、た、い、く、び、いうて動いたところで蝋燭の火も消えてしも うて。 あとは日が落ちた真っ暗ん中で、カコイサマが動き続けとる、 木の擦れる音だけがしばらく続いとって、わしらにゃあそれが何を 言うとるか見えんのんじゃけど、もう恐ろしいことを言うとるんじ ゃいうのは分かるでしょう。 川上さんはもう必死んなって、美咲ち ゃん、もうええけ、美咲ちゃん、もう帰ってもええけ、言うて。 私 も怖うてたまらんで般若心経一心に唱えおったんですが、突然耳鳴 りがきーんとして、ぴしっ言うてですね、カコイサマが真っ二つに 割れんさって、未だに忘れんですよ、それと同時くらいに美幸さん が物凄え甲高い、笛を吹いたみたいな悲鳴を上げんさって、そりゃ あもう、あげな小せえ体のどっから出おるんかいうような、家が震 えるくらいのえれえ悲鳴だったんですから、もうみんな儀式どころ じゃないですよ。 急いで美幸さん廊下に引っ張り出して、はよう救 急車じゃ言うて、美幸さんは白目剥いて、泡吹いてがくがく痙攣し ておられました。 その後はもうどげえもならんですよ。 儀式も続け られんし、わしらも身の置き所がない。 病院まで一緒に付き添うた んですが、旦那さんがそりゃあもう凄え形相でわしらのことを睨み つけてから、あんたらのせいで美幸まであげえなって、悪りいがも う帰ってくれ言うちゃって、そう言われたら私らもどうもできんけ え、荷物だけ片付けに上がらしてもろうてから、挨拶もそこそこに 引き上げたんです。 それが当日のことでした。 ほうで、この話はこれで終りじゃあないんです。 後日、川上さん がうちに来ちゃって、こないだの件で話があるんじゃ言うて。 私は ええですよ言うたものの川上さんもずいぶん辛えじゃろう思うて黙 りこんどったら、川上さんがこう言うちゃったんです。 ありゃあえ れえ家じゃ、あがあな家じゃ知っとったらわしゃあ関わらんかった 言うて。 何事か思うでしょう。 それでどういうことですか言うたら、 川上さんが壊れたカコイサマを出してきちゃって、これを見てみん さいいうけえ、私見してもろうたんです。 そしたらですね、あん時 は気付かんかったんですが、明らかに変なんですね。 普通は板いう んは、折れるときは木目に沿って折れるもんじゃ思うんですが、そ れが木目と違う方向に無理やり折られとるんです。 折られたいうか、 真ん中から割られたいうか、裂かれたいうんか、とにかくありゃあ 人間業じゃあない思いましたね。 そんで川上さんも、こがな真似そ うそうでけん、あすこにはわしらの思うたよりずうっと恐ろしいも んがおったんじゃ、あんとき降りてきとったんは確かに美咲ちゃん じゃったはずじゃ思うけど、それだけじゃあなかったようにも思う、 いうて。 どういうことね言うたら川上さん、あの電球が切れたとき があったじゃろいうて、あったあった言うたら、あんとき私見たん よ、部屋が真っ暗んなる前、火花が飛んだとき、美幸さんの首を締 めとる美咲ちゃんをはっきり見たんよ、言うて。 じゃけえ私言うた んです。 川上さん、それがほんまじゃとしても、そりゃあ首を締め とったんじゃなくて、おぶさっとったんじゃないですかって。 子供 が親の首い締めるなんて普通考えられんで、川上さんの見間違いで しょう言うて。 ほしたらそうじゃないんじゃて川上さんは言うんで すよ。 そういう子供が親に甘えとるようなふうじゃない、そりゃあ もう物凄い形相で、声は聞こえんのんじゃけど、もう気がちごうた ように泣き叫んどるんがはっきり分かったんじゃけえ、ありゃああ の母親には表立っては言えんことが何かあるんで、言うて。 私も川 上さんの言うちゃることが、そこでぴんときたんです。 つまり、あ があな神隠しいうようなもんは実際にあるわけはない、いうわけで しょう。 いやね、人の魂を降ろして飯を食うとるようなもんが何を 言うかと思われるでしょうが、そりゃあ話が別じゃろう思いますよ、 私は。 人が死んで魂になるいうんはあっても、肉体のある人が煙み たいに消えるいうんは、道理が通らんです。 人一人が消えるいうん はそりゃあえれえことなんで、そげえなことはほんまの神さんにだ って難しい思いますよ。 じゃけえ、私はこう思うとるんです。 美咲 ちゃんは、あの家ん中で殺されとる。 そんで、どっか人目のない山 ん中にでも運ばれて埋められとる。 じゃけえ、あがあなふうに美幸 さんに祟りおるんでしょう。 美幸さんはあれっきり、もうまともに 話もできんようになって、一日中わけのわからんことをぶつぶつ呟 いとるいうことです。 日に二度ほど我に返ってから、美咲、美咲、 いうて泣きおるいう話を聞いたらどうにも不憫で、私もどうにかし てあげたいとは思うんですが、もうどがあもできんのです。 川上さ んも参られとってで。 世の中には明るみに出さんほうがええことも あるんじゃ思うとなんともやりきれんですが、この話だけはしとか んといけんような気がして、別にこれでどうこういうつもりもあり ゃあせんですけど、川上さんももうあがあなったら駄目かも知れん けえ、私の口が利けるうちにお話ししおこうと思うたいうことです。 誰であれ、ほんまの犯人が見つかるとええですね。 美咲ちゃんの魂 が安らかに眠れるように、私も祈うとります。 談話1 川上さんは、もう終りじゃ、殺したんはわしじゃ、殺したんはわ しじゃ、言うて随分参っとったけえ、もう気にしんさんな言うてと りあえず寝かしたんじゃけど、一晩たってみたらもうおらんように なっとって皆なたまげてもうて、どこに行ったんじゃろういうて皆 なで探したら、裏の井戸に身を投げとったんじゃ。 最初に見つけたんは駐在さんじゃった思うけど、そりゃあもうが たがた震えて、わしゃあこがあな惨い死体は見たことがない言うて 近づきもせんけえ、吉田さんがそがいなことでどうするんじゃ言う て代わりに見に行きんさったんじゃけえど、これも飛んで帰ってき て、川上さんはどうせもうだめじゃ、あがあなもん見んほうがええ 言うて。 何を見たんじゃいうたら、真っ黒い人が底におって、それ が川上さんの曲がった首をひねくり回して、その首とわしゃあ目が 合うたんじゃ、言うて。 そがあ言うても誰も信じられんし、何より引き上げんことにはや れんけえ、皆なで連れ立って川上さんを引き上げに行ったんよ。 ほ したらこれがたまげたことにほんまなんよ。 井戸の底に真っ黒い人 影が座りこんどって、川上さんの首を捻り上げて、その目が恨めし そうにこっちを見おるんじゃけえ。 皆な飛び上がって逃げて、あり ゃあまともじゃあねえで言うて、もういよいよ誰も近づかんのんじ ゃけえ。 わしもあがあな怖い思いしたんは生まれて初めてじゃ。 ほうじゃ言うても、そのまま放っとくわけにもいかんし、あれが 表に出てきても困るけえ、もう川上さんには悪いけど閉めたほうが ええじゃろう言うて、皆なでコンクリの板転がして、井戸の中見ん ようにそおっと蓋をして、ぎょうさん石のせてその日は寝たんじゃ。 ほんで怖いのはこっからなんよ。 その日の晩に三次の春子さんの とこから電話がかかってきて、出てみたら血相変えてあんたとこの 村だいじょうぶなんね言うからいったいどうしたんか言うたら春子 さんが、いま玄関に川上さんがきちゃってね、美恵子姉さんがえら い大事故をして重態じゃ言うんよ、って。 でも川上さんはもう亡く なったんで言うたら、おばちゃんえらい声で悲鳴上げて受話器放り 出して、しばらく後に聞いてみたら、玄関が血だらけじゃ言うんよ。 ほいでも別に誰も怪我しとらんし、誰の血か分からん言うて、いち おう警察にも来てもらったけど怖くて寝られん言うて、怖くて寝ら れんのんはこっちよ。 村の家みんな叩き起こして、いまこれこれこ ういう電話があってこう言うちゃった言うて、話し合うた結果、下 野の三郎さんの家に嫁いできちゃった美代子さんのお兄さん、牛窓 の徹さんいう人がお寺をやっとる言うて、それでお祓いしてもろう ちゃったらどうかいう話になって、さっそく電話したら、出た瞬間 に向うがこっちから何か言う前にどないしちゃったんですか言うて、 聞いてみたら電話口から煙がもうもう出おる、いうて。 しかもこっ ちが話しとるすぐ横で、誰かがはあはあ息をしとる言うて。 もう怖 あて怖あて。 それで何とかならんですか言うたら、事情はともかく今すぐ行く けえ待っとってください言うてくれんさって、皆なこれで安心じゃ 思うとったら徹さんが、ちなみに誰が亡うなったんですか言うから 川上さんです言うたら、川上さんてあのまじないの人ですか、川上 さんがとられたんですか言うてえれえ驚かれて、なんでも川上さん はそうとう霊格の高え人で、それがとられる言うのはよっぽどじゃ 言うて、正直わしの手には余るけえ今夜はなんとか辛抱してくださ い、明日えらい人を連れて行きますけえ、それまでなんとか、いう て電話を切ろうとするけえ、これからわしらどないすればええんで すか言うたら、どないもなりません、この話も聞かれとりますけえ、 いま川上さんをとったそれがわしの真横におって、今も耳に息がか かるんです、たぶんもうだめじゃ言うて、それで電話は切られてし もうた。 そがあなの聞いたら皆な震え上がってしもうて、もう一睡もでき んのよ。 ほいで案の定、翌日になっても徹さんは来ん。 もうどない なったんかだいたい想像つくじゃろ。 電話切ったすぐ後に家を出て、 田んぼに車ごと突っ込んで引っ繰り返って、そのまま重態いう話よ。 結局、徹さんをあんな目にあわしたんはわしらなんよ。 実家にも帰らんし村にもおらん。 車も見つからん。 それ っきりじゃ。 村は村でまた大ごとよ。 夜明けに犬がえらい鳴きおる思うたらみ んな泡吹いて死んどるし、井戸の蓋もずれて落ちとる。 ほいでもも う見るん怖いけえ警察に電話して来てもろうたんだけど、警察の人 は中に何もありませんよ、言うちゃって。 恐る恐る見たら川上さん おらんのんよ。 警察の人は冗談もたいがいにしてください言うて帰 っちゃったけど、こっちももうどうしたらええんかわからんで、川 上さんはどこかへ消えてしもうたし、今ではほんまに死んどったん かどうかさえ確かめようがないんじゃけえ。 もうあれは夢じゃった とまで言うひとまでおってで。 それで何日かした後のこと、松野の武さんが見たいう話じゃけど、 こげえなでっかい火の玉が川上さんの家の窓から入っていった言う て、その日の晩に誰もおらん家の中から真っ黒い煙が上がって、消 防が来る頃にはとっくに川上さんの家は焼けてしもうとった。 もうこうなったらどがあもならんけえ、わしらができるこという たら、川上さんのためにお地蔵さんを立てて、拝むくらいよ。 これ でおさまってください言うて手え合わして、ほうでも何でこがあな ことになったんかも誰も分からんのんじゃけ、やりようがないんよ。 今でもたまに川上さんを見たいう人が現れるおるで、あの黒いのん がまだ歩いとるんじゃろういうて皆な怯えとる。 家に鍵かけて用心 して、もう日暮れには誰も表に出んのんで。 あんたもよう気いつけんさいよ。 この話い聞いたらもう関わりが ないとは言われんのんじゃけえね。 余計なことは絶対にしんさんな よ。 あんたもいつとられんとは限らんのじゃけえ、もうこがあな話 には関わらんほうがええ。 談話2 人間にもええ人とわりい人がおられるように、魂にもええ魂とわ りい魂がおるんで。 先生は常々言うとられた。 柱にするんならわりいのを柱にせえて。 ほうは言うけどわしは納得できんで、先生、わりい魂じゃええが にならんのじゃないですかて尋ねてみたんじゃ。 ほしたら先生は言 いんさった。 柱になってしまえば魂にええもわりいもない。 それは 単なる魂じゃけえ、おんなじものなんじゃ、いうて。 人間は時間がたつといろんなことを忘れていく生きものじゃが、 それは魂になっても変わらん。 柱になった魂は、人間じゃったとき のことをゆっくりと忘れていって、そのうち安らかな赤ん坊に戻る んじゃと。 ほうで、そっからさらに色んなものが抜けていって、い よいよなんものうなったときに、その魂は神さんになるんじゃ。 わしらの仕事いうんは、そういう神さんを人の手でこしらえる、 業の深い仕事なんじゃけえ、いつなんどき逆にとられるか分からん いう覚悟はしとかにゃあいけん。 もともと人じゃったもんをええように使うて、それでただで済む 思うとったらえれえ目にあうんよ。 人の恨みつらみはそりゃあ深えんじゃけ。 中途半端に掘り出した ら、それこそえれえことよ。 話の通じんただの恨みの塊いうんは、 いがんで目も耳もないんじゃ。 お経あげても聞こえんし、お札貼っ ても見えんのんじゃけえ、ほうなったらもうどがあもならんのんよ。 人の手には負えんのんじゃけ、本物の神さんがおられることを信じ て一心に祈るしかないんじゃ。 運良くええがにいったら、村のひとつかふたつ消えて、それで収 まるじゃろ。 あとは滅多に人の来んような山の奥でわだかまって、 熊じゃの鹿じゃの食うて、そのまま仏さんになってくれる。 わしら にはどうもできんのんじゃけえ、そう思うとくしかないんじゃ。 触 らぬ神に祟りなし言うんはほんまよ。 談話3 妙子さん、そういえば最近夜中んなると家の外を歩きおる人がお るんじゃいうて、お父さんに見てもらわにゃあいけん言うとっちゃ ったよ。 夜毎に歩き回る音がする言うておちおち眠れんで、駐在も 見回りは十分するけどお宅だけ特別扱いで夜中中見おるわけにはい かんのじゃ言うたいうて怒っとって、あそこは親父さんが土木の仕 事で腕っ節が強いし気性が激しいんよ。 近所でもそりゃあ、あげえ なとこに泥棒に入ったら返り討ちじゃ、叩き殺されてしまう言うて 笑いおったんで。 いうてもね、あがな田舎の家は広いばっかりで財産なんてろくにあ りゃあせんのんで。 どこの家もそうじゃ。 じゃけえ別に心配するよ うなこともないけえ言うとっちゃってじゃけど、ほうじゃ言うても 気持ち悪いもんは気持ち悪いし、それにあそこは娘さんが高校生で 可愛い盛りじゃけえ、風呂場でも覗かれたらそれこそことじゃいう て。 それであそこの親父さんが夜中に見張りに立っちゃって、見つ けて交番に突き出しちゃるんじゃ言うて、それから二日三日は何も なかったんよ。 ほしたらよ、四日目の夜中に庭の玉砂利を踏む音が して、親父さんは不審者じゃ思うて後ろからそろりそろりと近づい て、ざっざざっざ歩きおる人影を物陰から改めて、ぱっと懐中電灯 あてちゃったんよ。 そしたら誰じゃった思う。 それが妙子さんなん よ。 親父さんもびっくりしちゃってお前どしたんじゃ言うたら、妙 子さん空ろな目えをしちゃって、みたまがなんじゃらいうて、あの 神主さんの呪文みたいなんがあろう、なんじゃらかしこみもうすも うすいうて、妙子さんそんな呪文知っとってじゃないんで、それで 親父さんもこりゃあただごとじゃあない思うて妙子さんをむりやり 家に入れて鍵い掛けて寝かせて、それで朝んなったら妙子さんはけ ろっとしとってで、夜のことなんて何も覚えとりゃせんのんで。 逆 に親父さんに向かって、あんたあ昨日は出よったかいうて聞いてく るありさまで、あんたが寝ぼけとったんじゃいうて、みんな笑うと ってで。 妙子さんあんたぼけるにはまだ早ええんじゃないですかい うたら、もう歳なんじゃいうことよねいうて本人も笑うとってで。 いまでもたまに夜にふらふら歩きおるようで、夜中になったらぎし ぎしと廊下を歩く音じゃとか庭の土を踏む音じゃとか、最近は親父 さんの布団の周りをぐるぐる回るいうて往生しとってじゃけど、も う家のもんも特に害はないけえ、ほっとるそうな。 気味の悪い、お かしな話よね。 付記 うすおもちそいくこいきかがまとのちついじゃらあをちか なちかべれかにらまとみかなちけてまいくとふかみえみた めうあまてもいきあまちあらあねかとのきるのすにすのな けまちめいまくほと うかすおももいもきさきもきさきねあもりほにたちまころ みこきさこむかめかえてあのせがさそをのもなすがすきに びばらなるげちもぬずえまがおいろののいまきそつかそを とかものろこきこいくえてつそいろのねうそなみそこいし ろいれあきのともとものなしなさみるためたつなぎこわざ うらねあとにちもにまかみくおわまそのくぬためたておを とげあたてちともいあらほねみじゃひぬかがをのろもろむ くさよろこきまがえてみそきくけがるさゆけたりあつなこ だみあいあしぼぬかがにとにいこぞにぬつひあまいうかね うよとこめだみとともたらかやらくいつおねいえちしにあ まてみさかおをろこくらなころ いじゃくどにすおひえるおじゅむじゅおじゅおおなむねな ぎけちあまちそあにききそあにもとときもにほあのおおと きもにほあんなけちあまちするえまだにのろこきみこいけ ちあまてらといみすくちいくたうこりほもつざわなきのろ こきもにたちまころめちらいらたたごちむとにらとこいあ がつえらげきりわすかすおめてかおとくすおもみもきさし こきさこてあまてらとおろこきむそごおちじゅけめちしな かえむくさえだむらちいねむじほなむいすんえみさりそお とくらたべられかないきそなちろゆおもおつらともとこな いな うすおみもきさきもきさこてはまてみさすくちねまとのち へまとのいなかよくしむかかとだけいいはまてみさめがひ なざういほもうかのとくはがちにちものとかめちともろこ がみきさだちこあんいなみなもねいそいみことおちかかつ いぬたみなねきじゃたこいむげみくたちころいほにたちま こおうかすおみもきさきもきさきねあもおおにたちまこお おのろもろみたちまこおおなぬすぶいまこおうされたまい こきさかおむかめかくさみのづまこねろく うかいいなぼときにごおなこのせふるほわらかとぬぢめち さのいつためむぢさまちめちこめうししなちあつきむえっ ともわらかとなかばらおとこにいあまよののもぬぞろいぼ よあすごちほあおえまそえむぢそわすごちほあいらづかま いにぬくたかねつともわらかとぬぢものきさみうかわまと ねていさおとくまてくだすいのときもにはやひぎなまちす きらかおへまおきふれたまえつともわらかとぬちますこつ うはまちさはらいいたちまけむすさみらむぢまきならはま あかつ うるためたちじゃみあまちしあいかしはまちろまみなきか かひことちえなふのしすかがにとにおてせみそきくけかり あてちともいそよのとくるためたちさかるよたるやるえぶ るほとおにのとかやぬみおいむひほとぬぢめおぬぢもとな けおなことにつておにつととにておにととにけおにきみあ こなすこちならせりほののますげすけりほにたへりほにと ろあまらまつなこのともおんねぢいらにうがとののもぬど ろやちさげまおりさいまこねぼののむあまちるためあくち にくちえてもいけけちまこのそどといかるもおおときめむ しるためたちすねくのそちまこなまちむるひねうゆあまち さのたさくてつともをとくなこねるひねまとののもぬどろ えともわらかつなこよいるあまめたちすお持ちまがおおい まこのしえてくだぬあまちるたみくちえちさみさみしつい んないなかとなひのりそとむほなまよにきひぬこのたまえ ちさみさみらづかまいねぬばぐらきおにまかあわかふこに たわえちろにねぬはいおなまえちあまてかこいろのときま よいみおにまこなまうあまていそおつなにきいならそもつ らかまべしろにうかかるやるえふるほとおにのとかやぬみ おいむひほとぬぢめおぢもとなけおなことにつておにつと とにへにほとにけおにくうそおもてせみそききのもとろま いたちまこぬぞろよあよいそよのとくあまちろまみににく ぼとかがのとこたはほとをのみじゃらあえらげきあいじゃ いらたたごちむてちあまちらづかまうかくるたみらづかま いまけむすけがるさゆけはりあてちせみそききなかいむし まぎじゅうろまめむししまくそおいいちもみしいたちまく そこよさいまくちぬきまくたまあべあまちあらきにあらひ まけちりうたみこおいまこなるちいまあこのむこいにまこ なそいいるためたとわるけちものりうちいにたかいまけち ともときもにもりまきごろいまくつめむすさみらむぢまき ならはまあかちじゃききるにすおうおむにじゅうどにずう すおみもきさかいもきさこてあまてみささむじゅおうじょ うなちあづそおみじねににつおねぬめちせみそきこいそよ のとくるためたちあげにおこてあまてみせせまそいのとも なよいもみあけすぞろいあまてもいきあらひのろこぢたと もいあわざいあまよのもぬぞろえちあまてみさらしぐのを もろこねらぐけいむとぬおじゅいしあしえちあまてみさみ おうざくざこのろこくらなころえちあまちきへくおいそよ のえすおめあくちみにじゅおちへぬものとかめちあまゆい もつおとうらんにじゅおううるあまてまそおいあくにじあ きちあくねちぬういきあじぜちあまちじゅねほたたぐさご のおわらかちもなすことのとかやぬみおいむいはめらんに じゅおうあまてさらいあじそごをのもぬぞろえたどそいあ しいむおいあしえちしにあくちもなよいもんねぐのくうゆ ついあだおおううるあまちさわらおいからたひみにとつね てちさみさみなはらまあかつそおもてせみそききのもとろ みたちまこぬぞろよあよいそよのときしあまてもちきなわ こたいこととをのみじゃらあひらたたごちむてちあまちり おまみにとまものいろまもにひあまちりいなみまいあまち おづちにおづぢまこをのまそのもりるさめらいならばあぬ おおえちるたみさそいのときもにまけむしせみそきかやへ ちそたそえぬみこいけちあまちあらひにあらひまけちさら ちこいなまよこよをのめあのそなにじゃにせてあひろちな たくちおえちぎののりうちえちるためたてあたといまくた だをろみむただをきむたたをおえちともをときもにもりま きごりまくつめむすさみらむじまきならはまああかつそお もせみそききのもとろみたちまこぬぞろよあよおいそゆお ままてもいきあまちあらほをとをのみじゃらあひらたたが おととききさえちせみそきかやはべまちごひみににごひま けちさなちこをのめあのそなすがすけてたちこいなるとち ほをとみめちきののたりそとみめちきののとあえちるたみ ごおいまこおいむさよおえちともをときもにもりまきごり まくめむすさみらむじまきならはまあかつ.

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